予防接種は体調のよい時に受けるのが原則です。日頃から保護者の方はお子さんの体質、体調など健康状態によく気を配ってください。また、何か気にかかることがあれば、あらかじめ、かかりつけの先生に相談してください。安全に予防接種が受けられるよう、保護者の方は、以下のことに注意の上、当日に予防接種を受けるかどうか判断してください。

[予防接種を受けることができないお子さん]
①明らかに発熱のあるお子さん
 一般的に、接種会場で測定した体温が37.5℃以上の場合をさします。
②重篤な急性疾患にかかっていることが明らかなお子さん
 急性で重症な病気で薬を飲む必要のあるお子さんは、その後の病気の変化もわからないことから、その日は接種を受けないのが原則です。
③その日に受ける予防接種の接種液に含まれる成分で、アナフィラキシーを起こしたことのあるお子さん
 *アナフィラキシーとは…通常、予防接種後約30分以内に起こるひどいアレルギー反応のことです。汗がたくさん出る、顔が急に腫れる、全身にひどいじんましんが出るほか、吐き気、嘔吐、声が出にくい、息が苦しいなどの症状に続き、ショック状態になるような、激しい全身反応のことです。
④BCG接種の場合において、予防接種、外傷などによるケロイドが認められるお子さん
⑤予防接種を受けようとする病気に既にかかったことがあるお子さん、又は、現在かかっているお子さん
⑥予防接種の間隔やウィルス性疾患との間隔が不十分なお子さん ※間隔は接種した翌日から数えてください。
《他の予防接種との間隔》
☆BCG・麻しん風しん混合・麻しん・風しん・水痘・おたふくかぜを接種した日から、BCG・麻しん風しん混合・麻しん・風しん・水痘・おたふくかぜを接種する場合は27日間以上あける
《同じ予防接種を数回続けて接種する場合》
例)☆四種混合 1期初回の1回目と2回目の間、2回目と3回目の間は20日以上、標準的には56日までの間隔をおいて接種、☆ヒブ 標準としては、生後2~7か月未満の間に1回目を接種し、1歳に至るまでの間にそれぞれ27日(医師が必要と認めるときは20日)以上の間隔をおいて2回目・3回目を接種。その後、7か月以上(標準的には13か月まで)の間隔をおいて4回目を接種、☆小児用肺炎球菌 標準としては、生後2~7か月未満の間に1回目を接種し、1歳までにそれぞれ27日以上の間隔をおいて2回目・3回目を接種。3回目から60日以上の間隔をおき、生後12~15か月に至った日以降に4回目を接種
《ウイルス性の感染症にかかった場合の間隔(治癒後)》
☆麻しん(はしか)→4週間程度あける、☆風しん、水痘(水ぼうそう)、おたふくかぜ等→2~4週間程度あける、☆突発性発疹、手足口病、伝染性紅斑等→1~2週間程度あける
《家族や遊び友達にウイルス性感染症にかかった方がいて、お子さんが感染した可能性がある場合》
※下記の潜伏期間を参考にし、接種は避けた方がよいでしょう。その他の疾患は、かかりつけ医にご相談ください。
☆麻しん(はしか) 10~12日、☆風しん 14~21日、☆おたふくかぜ 14~24日、☆水痘(水ぼうそう) 10~21日
⑦その他、医師が不適当な状態と判断したお子さん
(例) 輸血やガンマグロブリンの注射後3ヶ月未満のお子さん。

[予防接種を受ける際に注意を要するお子さん]
下記に該当すると思われるお子さんは、かかりつけ医がいる医療機関で必ず前もってお子さんを診てもらい、予防接種を受けてよいかどうかを判断してもらいましょう。受ける場合には、「予防接種をしてもよい」という内容の意見書・診断書または、母子健康手帳記録のページに医師のサイン入りで記入をしてもらってから接種してください。
①心臓病、腎臓病、肝臓病、血液の病気や発育障害などで治療を受けているお子さん
②予防接種で、接種後2日以内に発熱のみられたお子さん及び発疹、じんましん等アレルギーと思われる異常がみられたお子さん
③過去にけいれん(ひきつけ)を起こしたことがあるお子さん…けいれん(ひきつけ)の起こった年齢、そのとき熱があったか、熱がなかったか、その後起こっているか、受けるワクチンの種類などで条件が異なります。必ず、かかりつけ医と事前によく相談しましょう。
④過去に免疫不全の診断がなされているお子さん及び近親者に先天性免疫不全症の方がいるお子さん
⑤ワクチンにはその製造過程における培養に使う卵の成分、抗生物質、安定剤などが入っているものがあるので、これらにアレルギーがあるといわれたことのあるお子さん
⑥BCG接種の場合においては、家族に結核患者がいて長期に接触があった場合など、過去に結核に感染している疑いのあるお子さん

次に該当すると思われるお子さんは、かかりつけ医に事前にご相談の上、予防接種実施医療機関(BCGは、集団予防接種会場)にお越しください。
①風邪などのひきはじめと思われるお子さん
②以前に予防接種を受けて、2日以内に発熱、発疹、じんましん等アレルギーと思われる異常がみられたお子さん
③薬の投与を受けて、皮膚に発疹が出たり、体に異常をきたしたことがあるお子さん
④家族、遊び友達、クラスメート等の間に、麻しん(はしか)、風しん、おたふくかぜ、水痘(水ぼうそう)などの病気が流行している時で、まだその病気にかかっていないお子さん

[前日の注意]
(1)入浴(またはシャワー)をさせ、からだを清潔にしましょう。
(2)早めに就寝させて、体調を整えましょう。
[当日の注意]
(1)朝からお子さんの状態をよく観察し、普段と変わったところのないことを確認するようにしましょう。予防接種を受ける予定があっても、体調が悪いと思ったら、かかりつけ医に相談の上、接種をするかどうか判断するようにしましょう。
(2)受ける予定の予防接種について、市発行の「予防接種の説明書」をよく読んで、必要性や副反応についてよく理解しましょう。
(3)母子健康手帳は必ず持って行きましょう。
(4)予診票は、接種する医師への大切な情報です。責任をもって記入するようにしましょう。
(5)予防接種を受けるお子さんの日頃の健康状態をよく知っている保護者の方が連れて行きましょう。
(6)着脱しやすい清潔な衣服を身に着けましょう。
(7)時間に余裕をもって出かけましょう。
(8)心配なことは、接種をする前に、必ずお医者さんに相談してください。
※なお、予防接種の効果や副反応などについて理解した上で、接種に同意したときに限り、接種が行われます。

[予防接種後の一般的な注意事項]
(1)予防接種を受けたあと30分間は、医療機関でお子さんの様子を観察するか、医師とすぐに連絡をとれるようにしておきましょう。急な副反応が、この間に起こることがあります。
(2)接種後、生ワクチンでは4週間、不活化ワクチンでは1週間は副反応の出現に注意しましょう。
(3)接種部位は清潔に保ちましょう。入浴は差し支えありませんが、接種部位をこすることはやめましょう。
(4)当日は、激しい運動はさけましょう。
(5)接種後、接種部位の異常な反応や体調の変化があった場合は、速やかに医師の診察をうけましょう。
副反応が起こった場合の対応
(1)通常みられる反応…ワクチンの種類によっても異なりますが、発熱、接種局所の発赤・腫脹(はれ)、硬結(しこり)、発疹などが比較的高い頻度で認められます。通常、数日以内に自然に治るので心配の必要はありません。くわしくは、各予防接種の説明書を参考にしてください。
(2)重い副反応…予防接種を受けたあと、接種局所のひどいはれ、高熱、ひきつけなどの症状があったら、医師の診察を受けてください。お子さんの症状が予防接種後副反応報告基準に該当する場合は、医師から市町村長へ副反応の報告が行われます。
(3)紛れ込み反応…予防接種を受けたしばらく後に、何らかの症状が出現すれば、予防接種が原因ではないか疑われることがあります。しかし、たまたま同じ時期に発症した他の感染症などが原因であることが明らかになることもあります。これを「紛れ込み反応」といいます。
※接種後、気になる症状があれば速やかに医師の診察を受け、予防接種担当へもご連絡ください。